子供の食物アレルギーは年々増加しています。昔は食べ物が腸管から入って食物アレルギーになると思われていて、アレルギーとなる食物の除去が一般的でしたが、近年は、皮膚からのアレルゲン侵入が着目されています。皮膚表面のバリア機能、コーティングする力が落ちているとそこからアレルギー物質が入ってくると言われています。ガサガサとした荒れた肌の状態だとアレルギー症状が出やすいため、食物がつきやすいところは、特にお肌の状態をツルツルにすることが大事になってきます。
また、アレルギー症状が出てからの治療よりも、早い段階で積極的にスキンケアをすることで、食物アレルギーの発症を減らすことができます。赤ちゃんのうちに保湿などのスキンケアを開始し、もし皮膚に炎症が出た時は、薬剤治療を行いましょう。お肌のいい状態が2〜3年保てるまで、治療を継続することをお勧めします。
お子さまのアトピー、アレルギーのお悩みを少しでも防ぐためにも、お肌をツルツルに保ち、保湿のスキンケアをして、何か炎症がある場合は、お気軽にご相談ください。
【プロアクティブ療法】
以前は、悪くなった時だけ強いお薬を使用していましたが、今はよくなった後でも優しいお薬でお肌のいい状態を保てるようにします。ステロイド外用薬などを用いて早期に皮膚のバリア機能を回復させた後、副作用の出ない方法で維持していきます。
令和5年7月3日の西日本新聞で、当院院長の「赤ちゃんのお肌の相談会〜アレルギー予防はお肌から〜」が取り上げられました。経皮感作のメカニズムについてや、症状が出た時の対処法などをお話しさせていただきました。今回は、8組の方に参加していただきましたが、お子様のアレルギーに関しては不安なことも多いと思います。困っている患者さんの力になれるよう、スタッフ一丸となって益々頑張ってまいりますので、お気軽にご相談ください。