ニキビ

ニキビについて、沢山の情報があるけれど、なにが正しいかわからなくて困っているという声を多くいただきます。ニキビの正しい知識と対策を知ってもらうために動画を作りました。
ニキビは思春期早期から治療を始めることで重症化を防ぐことができます。治療法はどんどん進化しています。少しでも多くの方に正しい知識を知って頂き、お子さんたちの未来を明るくしたいと願っています。お役立ていただけますと幸いです。
前編ではなぜニキビ治療が必要か知っていただきました。後編では治療方法について具体的に解説していきます。
なぜニキビは治療したほうがいいんでしょうか。
ニキビが将来消せないニキビ痕を残す可能性がある病気だからです。
凹んだニキビ痕は、現在の医学をもってしても完全に消すのは非常に難しく、浅くするには時間もお金も沢山かかります。痕になる前に治療を開始していただきたいと思います。
あると嫌な赤いニキビも、病院の治療で早く治すことができます。
ニキビは何歳ごろからできるのでしょうか。
思春期になると脂腺が大きく発達して、皮膚を保護するあぶら分(皮脂)が増えることでニキビが生じます。
平均発症年齢は男性13歳、女性12歳といわれています。最近は10歳ごろからの発症も増えていますので、ひどくなる前の10代前半からの対策が望ましいです。
クリニックには小学生から多くの患者さんが来られています。はずかしがることはありません、気になったら、まずは皮膚科へきてくださいあなたのニキビに最適な対策をお伝えします。
ニキビの出来る原因は何ですか。
ニキビ形成には、皮脂分泌の増加、毛穴のつまり、アクネ菌の増殖が関係しています。
ニキビはどんな種類がありますか。
皮脂分泌が増加して毛穴がつまったものをコメドといいます。ほとんど見えないものから白ニキビ、黒ニキビといわれる炎症のないぶつぶつといった形態をとります。
コメドにばい菌が感染し、炎症を起こしたものを赤ニキビといい、悪化すると膿がたまって黄色く見える黄ニキビという状態になります。
これらの炎症を起こしたニキビはニキビ痕を残しやすいという特徴があり、凹んでしまったニキビ痕は現在の医学をもってしても完治は難しいことがあります。
ニキビ対策はどんなことが出来ますか。
(1)ニキビ痕を残さないためには、できてしまったニキビをとにかく小さいうちに、凹む前に治す必要があります。
お薬や処置による早期治療は、病院でしかできない強力な対策になります。
しかし、1個ニキビができてしまったら、周りには250個のニキビの赤ちゃんがいるといわれており「次から次にニキビが襲ってくる」という状態が予想されます。
そこで重要なのが(2)番、ニキビの予防です。こちらは日本でもやっと塗り薬が使えるようになりました。お母さんたちの時代と比べて、治療が大きく進化している部分です。
このお薬を使うことで、ニキビ知らずで青春を過ごすことも夢ではなくなりました。
(1)と(2)ともに保険適応で、大半のニキビは対策可能です。是非、味方につけていただきたいと思います。
こちらがにきび対策で目指せる肌です。沢山あったニキビが消え、ツルツルで、ニキビができにくい肌に変わっています。継続すると、もっときれいになる方も沢山いらっしゃいます。
後編実践編動画では、詳しい対策について説明していますので、是非ご覧ください!
ニキビ痕を残さないためには、どうしたらいいですか。
ニキビ対策には2本の柱があります。
(1)ニキビ痕を残さないためには、赤・黄ニキビをなるべく小さいうちに治すことが大切です。
赤・黄色ニキビは感染症ですので抗菌剤による治療を行います。
当院では最も早く治すために、面皰圧出という処置を積極的行っています。これは清潔な針で微小な穴をあけてニキビの中の膿やつまりを取るという、病院で行う処置で、早期に行えばニキビ痕を最小限に抑えることが出来ます。この処置により抗菌薬の使用量と期間を減らすことができ、耐性菌の出現を減らすことが出来るメリットもあります。
いつできるかわからない感染性ニキビですので、ニキビパスをいうカードをお渡しして、できたらすぐに受診できるようにしています。
1個の炎症性ニキビの周囲には250個のコメドが隠れているといわれています。
そこで重要なのが(2)番、ニキビの予防です。ニキビの予防とは、イコール、コメドの治療ということになります。
コメドは、皮脂の増加に伴う毛穴のつまりが原因でした。コメド対策は皮脂と、毛穴のつまりを取ることで行います。具体的には皮脂には石鹸洗浄、毛穴つまりには塗り薬を使っていきます。
塗り薬を使った場合、コメドはいつになったらなくなるんでしょうか。
毛穴のつまりを取る塗り薬を使った場合の経過写真です。1日1回、お顔全体に塗る塗り薬になります。
一見ニキビが無いように見える場所にもコメドは隠れていますので、お顔全体に薬を塗ることが大切です。
では、コメドはいつになったらなくなるんでしょうか。写真を見ると1か月、3か月とニキビの数は減りますがまだ出ているのがわかります。ニキビが出なくなるには時間がかかります。一年頑張るとニキビの出ないツルツルの美肌が叶います。ニキビは慢性の病気です。皮脂が多い間はお薬を続けていくことが望ましいですが、これらのお薬は長期使用しても安全なお薬ですので、習慣にして続けていただきたいと思います。
塗り薬の副作用はありますか。
毛穴のつまりを取る塗り薬は非常に優秀ですが、使い始めから1か月をピークに赤みなどが出ることがあります。毛穴のお掃除をする事による赤みや、カサカサですが、出方は人によって異なります。お薬も数種類ありますので比較的反応が出にくいお薬から始めてステップアップするなど、個人のお肌に合わせてお薬を選んでいく事になります。
自費診療のケミカルピーリングはこのような副作用がほとんどでないため、ご希望の方にはご案内しています。
ニキビ治療の受診の流れをおしえてください。
当院では、ニキビで受診された場合、詳しい診察を行い、医師の診断で個々人に合った塗り薬や洗顔料を決定し、使用方法を説明しています。
初期であれば、自分にあったスキンケアだけで良くなる場合もあります。
いずれにしてもニキビ治療は1日にしてならず、根気が必要ですので、当院では2回目以降はニキビパスをお持ちの患者さんは予約不要としています。
忙しい毎日とは思いますが、将来ニキビ痕で悩まなくて済むように一緒に頑張りましょう。