シミといわれるものにはさまざまなタイプがあり、なかには悪性腫瘍であることもあります。シミの種類により治療法は異なりますので、しっかりと肌を観察して診断することが重要になります。また多くの方は幾つかの種類を併せ持っているため、治療やその順番も異なってきます。シミの種類、ライフスタイルなどを考え、美容皮膚科・レーザー指導専門医がしっかりと診断し、最適な治療法をご提供します。
Qスイッチルビーレーザー
Qスイッチルビーレーザーは、青・黒・茶色によく吸収される性質があります。皮膚内部のメラニン色素を効果的に破壊することができるシミの治療で最も強力なレーザー治療機器です。
通常1~2回でシミを消すことができます。傷跡を残さずにメラニン色素のみを安全に治療できるので、正常な皮膚へのダメージを最小限に抑えることができます。部分的な濃いシミの方にお勧めしています。よく似た色素斑の肝斑の治療に用いると、逆に濃く悪化してしまうため、治療前に医師による診察を行います。
Qスイッチルビーレーザーの痛み
照射時間は短いですが、照射時に多少の痛みを感じます。輪ゴムを弾いた時のような痛みと表現されます。事前に照射部位に局所麻酔薬のテープを貼付し、冷却を行います。
Qスイッチルビーレーザーのダウンタイム
照射した部位は、白くなったり、周りが赤みを帯びたりします。少しヒリヒリしますが、だんだん治まります。5日目くらいから薄い膜状のかさぶたができ、7~10日ほどで自然に取れてきます。その間は医療用テープを貼ってカバーする必要があります。
レーザー照射後に、多くの場合は炎症後の色素沈着が出てきます。炎症後の色素沈着は一時的なものですが、色素沈着の濃さや治まるまでの期間には個人差があります。多くの場合はレーザー照射後3か月までに最も濃くなります。治療後は紫外線による影響を受けやすくなっているので、3か月間のサンスクリーンが大切です。日焼け止めの使用や、日傘・帽子を使用し日光が当たらないようになどの注意が必要です。
施術の流れとアフターケア
初診
施術当日
STEP
自宅で照射部位に局所麻酔薬(ペンレス)を貼付
STEP
Qスイッチルビーレーザー施術(5~15分位)
施術後
STEP
施術当日より、テープをはがさずに入浴可能
STEP
入浴後にテープをはがし、洗顔後テープ保護。1週間後の再来まで継続
料金
内容 |
価格(税込) |
直径5mmまで |
5,000円 |
以降1mm増加ごとに |
プラス1,000円 |
IPL光治療 Nordlys(ノーリス)
Nordlys(ノーリス)とは医療用の特殊な光を顔全体に照射することで、複数の肌トラブルに対応することができる治療機器です。シミ、そばかすや赤ら顔などの肌の「色ムラ」や、毛穴の開きを改善し、肌を内側から輝かせます。Qスイッチルビーレーザーと異なり、1回でシミが完全に消える治療ではありませんが、テープ保護が不要で顔全体の色ムラの改善とトーンアップさせることを目的とした治療です。効果には個人差がありますが、最初は1ヶ月ごとに3~4回の照射でシミを薄くし、綺麗になった後は2~3ヶ月ごとにメンテナンス照射を受けて頂くと、その間にたまったメラニンが排出され、良い状態を維持できます。
このような効果があります
- メラニン色素に反応し、シミを薄くしていきます。ガーゼ不要なため、数の多いシミに適しています。
- ノーリスの光は赤血球の赤い色にも反応するため、赤み、赤ら顔を目立たなくする効果も期待できます。
- コラーゲンを作り出す線維芽細胞の働きを活性化させるため、毛穴が引き締まりキメ細やかな肌質へと変化します。
従来のIPLとの違い
従来のIPLと比較し、余分な波長をカットすることで副作用・ダウンタイムを極力少なくして効果を最大限にした機器がノーリスです。又、赤み、赤ら顔への効果が認められる点も特徴です。
※シミに似ている肝斑の治療に用いると、逆に濃く悪化してしまうため、治療前医師による診察を行います。
IPLの痛み
照射時間は短いですが、照射時に多少の痛みを感じます。照射部位に局所麻酔薬のテープの貼付は必要ありません。
治療前後の注意事項
- 治療前日に照射部位の剃毛をお願いしています。
- 照射した部位は、照射直後~数日で濃くカサブタになるものがあります。洗顔や入浴を繰り返すことで、2週間程度で自然に脱落します。無理にこすったり、剝がしたりしないでください。
- 治療期間中、治療後6ヶ月間は強い日焼けを避け、保湿剤や日焼け止め(SPF30以上)を使用して、スキンケアを行ってください。
- 治療当日は、シャワー浴とし、熱いお湯を照射部位にかけないようにしてください。
- 治療当日は大量の飲酒は避けてください。
推奨治療間隔
- 1~3回目…約1ヶ月/毎
- 4回目以降…約2~3ヶ月/毎
※治療効果は1回の治療でも感じることができますが、症状により改善できない部位もあります。治療回数はメラニンの色調、深さなどにより違い、回数がかかる場合もあります。
施術の流れとアフターケア
初診
施術前日/当日
STEP
アフターケアの説明
※すぐにメイクしてお帰りいただけます
施術後
保湿剤、日焼け止めを塗布して帰宅
※当日からメイク可能
料金
内容 |
価格(税込) |
1回 |
22,000円 |
3回 |
59,400円 |
トレチノイン療法
トレチノイン療法とは、紫外線や加齢に伴い目立ってきた表皮のシミや小じわ、くすみを改善する外用療法のことで、「2~3ヶ月間でできるお肌のお洗濯」というイメージをしていただければわかりやすいと思います。
日常的に、ご自宅でできる簡単なケアを行っていただき、年に1~2回の集中メンテナンスで、1年間の光老化をリセットします。
私たちの皮膚は常にターンオーバーをして新しい細胞を再生しています。
しかし加齢や紫外線の影響によりそのスピードは少しずつ遅くなります。
医師の処方によるトレチノインクリームを使用することで皮膚の奥にある線維芽細胞を刺激し、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生成を促進し、さらにはターンオーバーのスピードを速めて皮膚本来の健康な状態に戻すことができます。長期的には皮膚にハリをあたえるため、小じわの改善につながります。同時にハイドロキノンクリームを併用することで、肌の奥にあるシミやくすみなどを改善することができます。ご自宅に居ながら、ハリと潤いのある、きめ細かい、透明感あふれる素肌を取り戻すために皮膚再生プログラムです。
主な成分
トレチノイン
皮膚の真皮層にある線維芽細胞を刺激し活性化することで、エラスチンやコラーゲン、ヒアルロン酸といった皮膚の内部から潤いやハリを与える成分を生み出します。また、皮膚表面の角質層を剥離することでターンオーバーの速度を速め、くすみやざらつきを取り除き、きめの細かい滑らかな素肌を取り戻します。
※一時的に皮膚科乾燥し、かゆみや赤み、ヒリヒリするなどの反応があります。
ハイドロキノン
シミの原因となるチロシナーゼを抑制し、メラニン色素をつくるメラノサイトの働きをブロックする作用や、黒色メラニンを淡色化する還元作用があります。レチノイン酸とハイドロキノンとの併用により、ターンオーバーが促進され、メラニンの排出を促すことによって、高い美白効果が期待されます。
※一時的にかゆみや赤みなどの反応があります。また、かぶれを起こす方もいるため、医師の診察の元での使用が大切です。
プログラムの進行経過
医師が肌状態を確認し、適切な使用方法、プログラム期間をご提案いたします。
STEP
プログラム開始
肌質やクリームの配合割合によって反応が現れるまでの日数や強さは異なりますが、真皮細胞への刺激は始まっています
STEP
反応・活性期 3~14日
皮膚に赤みが生じ、カサカサと乾燥感が出てきます。
洗顔の時やお化粧をする際にポロポロと垢のような皮むけがあります。開始後1週間くらいで医師の診察があります。
STEP
耐性期 2、3週間~2か月
反応がおだやかになり、くすみがとれて透明感が出てきます。
軽度の赤みや皮むけが続く方もいらっしゃいます。
STEP
再生期 2~3か月
ハリが出て、健やかな皮膚になります。
シミが目立たなくなります。