先日、長崎にて「アトピー性皮膚炎を再考する」をテーマとした講演を行いました。
九州各地から皮膚科・小児科の先生方にお集まりいただきましたので、今回は特に「小児アトピー性皮膚炎の早期治療」に焦点を当て、以下の2つの講演を行いました。
1. 早期強化治療による食物アレルギーの予防
福岡病院アレルギー科の杉山晃子先生からは、最新の論文(国立成育医療研究センター、2026年3月発表)に基づいた知見が示されました。
研究結果によると、乳児期早期に発症したアトピー性皮膚炎に対し、早い段階から炎症を十分に抑える「早期強化治療」を行ったグループは、3歳時点での食物アレルギー(特に鶏卵アレルギー)の有病率が有意に低いことが示されています。
この論文には食物アレルギーの有病率だけでなく、3年間アトピー性皮膚炎の治療を継続したグループの特徴が記載されています。皮膚科医としてどう解釈し、治療に活かしていくべきかについて、非常に興味深いお話しをしていただきました。
2. 年齢に応じた治療戦略と継続方法
私からは小児の年齢別に出来ること(ゴール)と、ゴールを達成するためのアプローチについて詳しくお話ししました。食物アレルギーは生後早期から始まっています。離乳食期からではありません。そのため、皮膚をツルツルにしてアレルギーを防ぐには、なるべく生後早期からの取り組みが有効です。
また、9歳を超えてくるとアトピー性皮膚炎の完治も難しくなってくるため、低年齢から治療継続でアトピー性皮膚炎を完治する(もしくは重症化させない)ためのコツについてもお話ししました。
当院では今後も、最新の医学的エビデンスに基づき、一人ひとりの患者様に最適な治療方法を提案してまいります。
仙台でのWeb講演会も実施いたしました。
座長の労を御取り頂いた大仁田亜紀先生、小澤麻紀先生及び、このような機会をいただきました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

